サラの需要後書
やつと終つた——!!
ちやんと推敲までして淸書したのは、生れて初めて。完成の悅びに、しとどに濡れる。
小說の素材になつた、人生の總てに感謝したい。
- ノンケとゲイ、何も無い話。ありさうで書けさうな話。
- これの後に書いたものが殆どセックスシーンありといふ事を考へると、私がかういつたセックス無しの話を書くのは珍しいケース。さういつた意味でも習作といへ、セックス(性)が絡んでゐるなら、私は話を書く事ができるのだと知れた。
- 書けば書く程に、私は性絡みでないと書けないのだと知る。皮肉の利いた異世界ファンタジーを書くのが長い事夢であつたが、ネタばらししか書けなくて困つてゐる次第。しかし、これといふ起爆劑になるものを知つてゐれば書續ける事ができるのだから、幸運か。
- 私は思ひ附いたシーンからどんどん書いていくタイプで、著想開始からオチが見える事が多い(有難い事に)。けれど書込む程にシーンが掘下げられていつて、全部穴埋めしたら想定してゐたラストがしつくり來ない、といふ事も多い。そこをいくとサラの需要は割とぶれずに、ストレートに書けた感じ。きれいにまとまつた。
- 推敲は執筆已上に集中力を保つのが難しかつた(地味で細かい作業が多い)。話の整合性は元より、語彙や漢字の統一・遣ひ方も揃へねばならず、大變だつた。プロの作家でも徹底した漢字遣ひといふ人は殆どをらず(青空文庫を參照)、作家自身の感覺で書取るものだと捉へた。一般に平假名に直した方が良いといはれるけれど、そこは同人、もう書き手の無茶苦茶やれるから、私は他人の檢閲が入らないこの自己發表を喜ばしく思つてゐる——本當に(ほぼ無料で、好きなやう編輯し公開できるのだから、私は良い世に生れたと思ふ)。
- 第一稿:18992字、最終稿:14598字(但し第一稿は表記搖れ含む重ね書きしてゐる字數、最終稿は行頭空け含む整形後の字數)。意外と削れるもんだ。不要な副詞・形容詞・代名詞、それから說明、そもそもの話。何を傳へたいかでいつたら、殆ど殘らんのだけど、限界まで削るならもつとできた(
部屋
の感想とか要る?)。別に傳へたい事は無いが、これといふ目玉のシーンはある(分る)。
- 又、性的な話を公開するにあたつて、サーバの規約にも惱んだ。アダルト可サーバつて、レンタル代高いんだ。しかし傾向からいつて、創作活動文章表現は大目に見てくれるやう。詩の時點で性表現には大いに惱んだが(私の根幹ですよ)、もつと明確な性描寫の小說公開にあたり、この度サーバの移轉をした。文章創作の性表現をやさしく受止めてくれる、そんな寛大なサーバはさくらのレンタルサーバです。今後とも宜しく!
- テキスト版を用意するのがすごく面倒臭い。本文の同期がちやんとできてゐるか不安になる。でも後學(謎)のために殘しておく。他の人が利用するかもしれないし。編輯する分には申分無いのよな、プレーンテキストは。
- 執筆・推敲時にあたつては、エリザベス・ギルバート著BIG MAGIC 「夢中になる」ことからはじめよう。が勵みになりました。
- 書きながら生きていけるならそれで良い、書く事が辛いなら止めても良い、程々にして次に行つても良い、など。
- 堂々と他に稼ぎがあるんだからいいぢやないつて言つてくれる人がゐなかつたんだ。
- 推敲の實踐的學びはスティーヴン・キング著書くことについて及びマックライド著小説のようなモノの書き方から得ました。
- 他、
等の著作から影響を受けました。某エロ書きさんの作品が大好きです。テンポの速いクラシック曲、ロックが大好きです。
- 普段から贔屓にしてくれる三名の殿方には、深く感謝の意を表します。三者といふほぼ確實な讀者がゐればこそ、適度な緊張感と期待をもつて作品を完成させる事ができました。ありがたうごさいます! 是非あなたが書いたものも讀ませて下さい、笑
2018年12月22日:第2版について
- 露骨な——明示的な性的語彙を排除した。
- ガイドライン
が欲しくなつてくるを作つてみた——基準みたいなものは最近犯罪者の氣持の後書で書いたのだが。え、この程度も駄目?つてなものもあるが、ぢや、書く必要ある?つて言はれたら——書かなくても(他の言葉で代替しても)大丈夫かなあ、といふ感じだつた。
- 特に橫文字はドキッとするし、生々しい。でなくともサラの需要に出てくる話は生々しい。
- セックスシーンは無いから、やり易いと言へばやり易かつた。本當に少し訂正しただけだ。
- 誰を對象としてゐるか、も重要だし、それさへ明確にできれば、自づと表現も定まつて來るだらう。商業作品はその手の方針がはつきりとしてゐるから、編輯者が作家にノーを出せるのだが、自分で出版する場合には、本當に手探りでやらなければならない——何でも出來てしまふから。
- 大半のウェブ小說が何の配慮も無く、言葉の遣ひ方も定まつてゐないのは、明確な——讀ませたい人間がゐないからだらう。(架空の)讀者さへゐないのだ。その點、キングの話[書くことについて]を見てゐると、溜飮が下がるといふか——
- 自分にとつて好ましい人間がゐないなら、自分が讀みたいもの、好ましいものを書くしかない。
- 私がはつきりと性を書かない事にしたのは、幼少年に對する配慮といふのもあるし、自分自身に對する配慮でもある。性の貧しさや生々しさ、さういつたものも書いていかなければならないが、一方で、描寫に氣を取られて感性が麻痺するやうな事があつてはならない。過激な描寫は思考を凍て附かせる。——それを讀書の快樂、目的と錯覺してしまふ事が、どれ程多いか。
- 性的語彙の他、ちよつと改訂。何で文字が竝んでゐるのに氣附かないんだらう。
- 違和感無く繫げたと思ふ。
- 今見直してみても、この作品はよく出來てゐると思ふ。代表作。
- 面白いのは、眞面目でジムに通つてゐる男が他にもゐる事だ。……巨乳のツンデレばかり書いてゐる人は、きつと巨乳のツンデレが知合にゐるんだらう。最近知つた。
サラの需要補足・改訂履歷
- :公開
- :誤字・字數表記修正
- :公開終了
- :第2版公開