肌を合はせると

幼馴染に抱かれるのつてどんなだらうつて想像した。暗い廢校で。吐息の交はる中、濕つた肌を押附けて。

でも實際は、知らない男に抱かれたり抱いたりしてゐる。あの頃は每日逢つてゐたのに。勉强が難しくなるにつれ離れていつて、大學は遠い地にしかなかつた。歸省してきたあなたはいつも電話を氣にしてゐて、視界には指輪の光がちらついた。變に大人伸びた眞實が――もう、私の知つてゐるあなたではなくなつてゐたんだね。

そして、あなたの知つてゐる私でもない。だから、私はあなたを誘つた。

……オーケー?


忘れた頃に顏を合せた親戚の子のやうに、あなたの肉感は氣持の惡いものだつた。


私はまだ、蟲が鈴みたいにりんりんと鳴く、田んぼとすすきとチェーン店ばかりある、この田舍にゐるよ。