Webの改善――作品とリンクを分離する

このアプローチのかなめは、著者(ここでは個人がWebに著作物をアップロードする事を前提とし、著者=出版者とする)が作品の公開に集中できる事、讀者が任意の檢索エンジンを選べる事、一意のURI(作品の所在)が統一されてゐる事で、アクセスが容易になり、Web/作品の壽命が伸びる點にある。つまりはリンクの强化で、著者と媒介者を信賴する、といふ事である。

なぜ機能は統合されるか

リンク不信(リンク切れへの恐れ)故に、「投稿サイト」は著者に作品を投稿(複製)させ、確實な流通――投稿サイトの信賴性――を擔保してゐる。

リンクは「流通」の要

リンクが信用できれば、「投稿」サイトは必要無かつた。作品を抽出できるリンク集や檢索エンジンさへあれば良かつた。私が支持するのはそれで:

以上を掛け合せたスタンスが理想だ。

大抵の投稿サイトは作品の「公開」と「檢索」を同時に提供するが、私はそのいづれかを提供すべきと思ふ。

作品の公開と檢索は分離すべき

公開(著者)と、檢索(媒介者)、それぞれに然るべき自主性があれば、作品が檢閲を受けたり、流通が妨害されたりする危險を抑へられる。檢索エンジンが作品に手を加へたり公開を停止させたりすべきでないし(作品に不滿があるならリンクを切れば良く、作品そのものに干涉すべきでない)、著者が流通・檢索機能に干涉すべきでもない(檢索エンジンのアルゴリズムを惡用し、作品に關はりの無い文言を登錄するなど)。

それぞれの責任を全うし、餘計な手間や權限を負はない事。分離しない根本には、著者にWebで作品を公開する知識(及び資源、體力)が無い事や、リンク不信が擧げられる。だから、ただ役割と責任を分離するだけでなく、著者と媒介者が、リンクを守る原則――言はば信念――を共有する必要がある。

全く同じものを幾つも複製してリソース(作品の所在、版)を曖昧にする必要は無いし、サーバースペースを多く專有する必要も無い。著者も讀者も、負はずに濟む苦勞を背負ひ込んでゐる。電子出版/Webの發展に必要なのは「氣の利いた投稿サイト(機能)」などではなく、電子出版のための敎育――作品の流通と壽命についての知識と思索――と、作品を維持していく實踐にあるのだ。

實踐

關聯:Webの質とはリンクの質

その利點: